過払い金とは
消費者金融のほとんどが、利息制限法を超え出資法以下の利息(いわゆるグレーゾン金利)をつけています。
利息制限法を超える利息は無効であるので、債務整理の手続きにおいては、原則として、利息制限法の利息で考えます。
約定で元金50万円・年28%の利息の場合、利息制限法の年18%で考え直すということです。実に、年1割も違うのです。
本人と業者の間の全ての取引を、利息制限法の利息で引き直し計算を行います。すると、取引が長期に渡るような場合、実は返済した金額が払い過ぎになっている場合があります。これが「過払い金」と呼ばれているものです。
但し、これは、取引の状況にもよりますので、取引が長いからといって、必ず過払い金が発生するものではありません。
「過払い金は不当利得(法律上債権者が受け取る根拠のない金銭)となり、その返還を請求ができる」というのが、判例理論であります。そこで、過払い金が判明しましたら、相手方に対して、交渉や訴訟によって、その返還を求めます。認定司法書士の場合、140万円までなら、交渉及び訴訟の代理人となることができます。ちなみに、返還交渉に応じる業者もあれば、訴訟によらなければ返還に応じない業者もあり、様々です。
当事務所においても、過払い金が判明しましたら、交渉や訴訟等でその過払い金返還請求をし、取り戻すことを行なっております。
みなし弁済(43条)
債務整理においては、利息制限法の規定による利息で計算を行い、これを超える利息(グレーゾーン内の利息)は認めません。しかし、一方で、ある一定の条件を満たす場合は、業者の利息が有効になる場合もあります。これを、「みなし弁済」といいます。
過払い金返還訴訟においては、この「みなし弁済が認められるかどうか」が争点となります。
注意
一般的に、取引が長期にわたれば(だいたい7年間)、過払いとなっている可能性は高いです。しかし、一方で、取引が長いからといって、必ずしも過払いとなっているかどうかは分からなく、また、理論上は、みなし弁済も認められてしまう可能性もあります。
依頼者から話を聞いたり、契約書等を見たりして、だいたいの取引開始日を確認します。そして、その時期がかなり以前なら、過払いの可能性が高くなります。
相談時において、過払いっぽいと思ったとき、私は、「過払いかもしれない。」と言います。もちろん、上記に述べた例外にも言及します。しかし、この過払いは案外曲者で、依頼者の中には、たとえ残債があろうとも、過払いのことしか眼中になくなってしまう方も、少なからずおられます。過払いだけに意識を取られず、全体のことをまず考えるように注意しましょう。
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